ある日系金融機関にお勤めの男性Aさん(55歳)の実例
Aさんは、日本に奥さんと子供二人残してニューヨークに単身赴任中の、国際金融マンです。
日本の保険会社を通じて、終身保険と逓増式の掛け捨て保険と、入院給付金を組み合わせた保険に入っていました。病気の場合には死亡保障が3800万円、災害時には死亡保障が9800万円で、一日当り1万円の入院給付金がついていました。
しかし問題なのは、入院給付の保険料を除いた部分だけで、毎年約70万円の保険料を80歳まで払い続けなければならないことです。しかも保険料が年々アップするのです。これでは、彼が定年退職を迎えたら、事実上支払いを続けることはできません。
保険料の安いアメリカ
そこにたまたま目にしたチラシに kojinhoken.com を見つけて、そのウェブページを調べてみるうちに、アメリカの生命保険は日本に比べて大幅に安いことを知り、日本人のファイナンシャルコンサルタントを紹介してもらいました。
幸いAさんはタバコも吸わず、健康状態も良好だったため、保険料が日本の約4分の1ですむことが分かりました。早速、相談の上に、死亡保障が30万ドルのユニバーサルライフ(Universal Life)で、彼が80歳まで保障を約束してくれ、60歳の定年になるまでに支払いを終えるプログラムを組んでもらいました。それに、災害時と病気の死亡保障のギャップを埋めるために、50万ドルの掛け捨て型の10年保障を追加し、アメリカの生命保険では出ない入院給付金の部分は、日本の生命保険を継続することにしました。
こんなにお得!
彼の場合多少手持ちの現金があり、ユニバーサルライフの保険料を、初年度にを多く入れて1万8千ドル、2年度以降5年目の60歳まで毎年3千ドルを支払い、合計3万ドルを支払うプログラムにしました。たとえ最悪のシナリオで金利が極限まで下がっても、追加で約7千ドルを支払えば、80歳までの死亡保険金を保障する特約が付いています。それと掛け捨て保険の保険料は年間約1100ドルです。
その結果、アメリカの生命保険の保険料の合計が、4万1千ドルから最高約4万8千ドルで済むのに対して、日本の生命保険を継続すれば、毎年約6200ドルを80歳まで25年間、しかもその保険料は年々アップして行くために、最低でも合計15万5千ドルになってしまうのです。
なんと10万ドルからの差がついてしまいます。
柔軟なアメリカのプログラム
日本の伝統的な保険商品が非常に固定的で柔軟性に欠ける一方、アメリカのユニバーサルライフは支払いを増やしたり、減らしたり、はたまたキャッシュバリューがあるかぎり支払いをストップすることもでき、色々な目的に合わせてフレキシブルなプログラムが組めます。
実際、Aさんは日本の保険を解約して得たキャッシュバリュー、3万ドルを積み増すことを考えています。もしそれを積み増せば、現行のレートで、70才以降89才までキャッシュバリューが7万5千ドル以上、と保険料の支払い総額の6万ドルを上回り、100才までの生涯保障が可能となります。
保険料算出の背景にヒミツが
無論、アメリカのユニバーサルライフと日本の終身保険 (Whole Life) と掛け捨て保険 (Term Life) と入院特約、介護特約、学資特約などをミックスさせた生命保険を単純に比較する事はできません。またアメリカでは個人の健康状態や生活習慣によって、その保険料に大きな違いがあること。また為替の変動や、日米の税制の変更などのにも影響を受け、どちらが有利か簡単に決論は出せません。
しかし、かたや老齢化、少子化のすすむ日本と、かたや健全な出生率を保ち海外から多くの移民が流れ込むアメリカとではその人口構成には歴然とした違いがあり、それで算出される保険料の格差は短期間には埋まりそうにもありません。
少なくとも今の生命保険を見直し、アメリカの生命保険と比較検討する必要はありそうです。
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